第39回Next Retail Lab 6月24日(木)
速報レポート
「巨大ECマーケット中国におけるリアル商業空間の最前線」
今回参加させていただいたのは、商業空間デザイン設計の株式会社GARDE で専務取締役をされている室賢治様のご講演です。
《中国における小売市場の現状》
2019年に中国の小売業界の売上高は前年比7.5%増の5兆6400億ドル(約614兆円))に達し、アメリカは同3.3%増の5兆5300億ドル(約586兆円)となり、世界最大の小売市場となりました。そして、中国における小売り売上高の35.3%がECによるものになり、世界中のEC売上高の55.8%を同国が占めています。
《消費構造の変化 量から質へ》
中国での消費全体の構造の変化としては、中国政府による支援策⇒消費の安定成長促進⇒コストパフォーマンス重視⇒若年層を中心に素材、見栄えなど新しい価値を重視という傾向があり、デジタル世代による新しい消費価値の台頭、デジタル生活が幅広い世代に浸透・常態化してきています。
《リアルからネットへ ネットからリアルへ》
スマートフォン、クラウドを活用することでオンラインとオフラインの融合をし、販売チャネルの拡大やサービスの多様化、運営差別化・効率化に生かしています。
《小売業における各社の取り組み》
国営のショッピングモールは新規ショッピングモールの出店や既存モールの改装に力を入れ、競合との差別化戦略の推進を図っています。国営、民間の百貨店は新規百貨店の出店はほとんどせず、既存百貨店の改装をすることで既存スタイルからの脱却に力を入れています。
《事例紹介》
・「ライブコマース」(WeChatのミニプログラムで、配信者がそれぞれで販売活動できる)北京漢光百貨や超市発が有名で、全体では2020年の流通総額15兆弱を記録。
・北京朝陽区JOY CITY MALL
JORDEさんが中国で初めてのテーマゾーンを手掛けた。特徴的な吹き抜けを採用。
私も論文で取り扱ったSCや百貨店の事例から、世界の最前線を走る中国のEC及びリアル商業空間の変容を勉強でき、日本のコンセプトストアの新たな価値、可能性について考える機会ができてデジタルマーケティングを学ぶ学生として刺激になりました。講演参加に至り、講演者の室様、また運営関係者の各様に感謝申し上げ、報告レポートとします。